No.223 保育士の現状から考える、子どもと向き合う仕事の誇りと課題

子どもたちの健やかな成長を支える保育士は、社会にとって欠かせない存在です。日々の保育業務には笑顔や感動がある一方で、長時間労働や人手不足、低賃金といった課題に直面しているのも現実です。本記事では、保育士の現場で今何が起きているのかを具体的に掘り下げながら、保育という仕事のやりがいや魅力、そしてこれからの働き方について考えていきます。
保育の現場で今起きていることを理解する

保育士の仕事は、単に子どもを預かるだけではありません。食事や排泄、睡眠の援助から、遊びや学びの支援、保護者対応まで、子どもの一日を丸ごと支える責任の大きな仕事です。それに加えて、行事の準備や事務作業、会議、連絡帳の記入など、勤務時間外の業務も多く、長時間労働になりがちです。
また、慢性的な人手不足も現場に重くのしかかっています。一人あたりにかかる負担が大きくなり、体力的・精神的な疲労が積み重なって離職に至るケースも少なくありません。保育士として働くことに理想ややりがいを持っていても、現実とのギャップに苦しむ声は多く聞かれます。
基本のセルフケアを大切にし、健やかな心と体を保つ

子どもたちに安心と安定を提供するには、まず自分自身が健康であることが欠かせません。睡眠や食事、適度な運動といった基本的な生活習慣を整えることは、忙しい毎日の中でも意識したいポイントです。
また、休日に趣味やリフレッシュの時間を意識的に確保することも大切です。子どもに寄り添う仕事だからこそ、自分自身の感情や気分にも丁寧に寄り添いましょう。日記をつける、アロマや音楽を取り入れる、信頼できる人に気持ちを話すなど、自分に合った方法でリセットの習慣を持つことが、日々のストレスと上手につきあう鍵になります。
子どもとの関わりから得られる深い喜びと成長
保育士という仕事には、子どもたちの成長を間近で見守ることができるという、他の仕事では得られない喜びがあります。昨日までできなかったことが今日できるようになる瞬間、一緒に笑ったり泣いたりしながら築く関係性、そして保護者からの「ありがとうございます」の言葉。そのすべてが保育士のやりがいにつながっています。
毎日同じことの繰り返しのようでいて、子どもたちは常に変化し、成長していきます。その変化に気づき、声をかけ、共に喜ぶ中で、自分自身も人間として成長していく感覚を持てることは、この仕事ならではの魅力です。
制度や環境改善の動きと今後への期待
近年、保育士の待遇改善や働き方改革に向けた取り組みも少しずつ進んでいます。一部自治体では、処遇改善手当の支給や事務作業の軽減化に取り組む園も見られるようになりました。ICT導入による業務効率化、補助スタッフの配置など、保育士の負担を減らすための工夫も増えつつあります。
しかし、こうした取り組みが全国に広がり、持続的な制度として定着するには、現場の声を政策に反映させることが必要です。保育士自身が日常の中で感じている課題や希望を伝え、社会全体で子育て支援の土台を支えていく意識が求められます。