No.11 待機児童と保育士の人員不足問題について

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少子高齢化社会といわれる現代でも、今なお続く待機児童問題。この根底には「働きたい母親が増えている」ことと、「保育士の人員不足」が問題となっていると言われています。
では、この問題はなぜ起こるのでしょうか?またその解決策とは?
では、見ていきましょう。

保育士不足はなぜ起こる?

国や各自治体には、子どもたちの年齢や人数に応じた保育業界における人員配置というものが決められています。
厚生労働省が公表している2017年(平成29年)で、年間必要とされる保育士の数が約460,000人に対して、実際はおよそ368,000人となり、この数値からも人員不足が明らかです。この中で保育士を離職する数が多く、復職される方が少ないという実情もあるようです。

◎保育士不足の理由1
大学や専門学校、あるいは通信教育など保育士の資格を取る方法は様々ありますが、実際に保育士の資格を取っても、およそ半数が、保育士の仕事についていないという現状もあるようです。
保育士として就職したものの離職し、復職していない方や有資格者でありながら保育士として就職していない方の事を、「潜在保育士」と呼んでいます。保育士は国家資格でありながら、業務内容と賃金が合わないという理由から、復職あるいは就職しないという方も多いようです。

◎保育士不足の理由2
女性の割合が、およそ94%といわれる保育園の職場環境では、やはり人間関係のトラブルも大きな要因と言えるようです。そこで男性保育士を増やし、職場環境を改善することも考えられているようです。もちろん、それだけで人間関係が解消されるとは限りませんが、よりソフトな人間関係が期待できるのではないかと思います。

問題解決の糸口として

潜在保育士の復職や就職を妨げている理由は多々ありますが、低賃金や仕事への不満・不安などがクリアになれば、保育士として働きたいと考える方も少なくないようです。
こういった方々の相談窓口として、各都道府県には「保育士・保育所支援センター」が設けられ、潜在保育士への相談支援に当たっています。この問題を解消する対策として、「副主任保育士」という役職と手当を設けたり、復職前の研修制度を設けるなどして、保育士として働きやすい環境づくりに国や自治体も対策を講じています。

■まとめ

国や地方自治体、また各保育園側での独自の取り組みなど、賃金面から環境の改善、人事評価制度の導入、出産後の職場復帰に向けてのあらゆる制度が設けられ、あらゆる面からの対策が講じられています。この取り組みが効果的に働き、保育士の働きやすい環境が整い、待機児童ゼロへとつながるよう期待します。

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