No.127 保育士5年目の課題 後輩育成に役立つスキルを身につけよう!
保育士5年目にもなると育成業務も加わり、悩んでいる方も多いでしょう。後輩を育てるために、育成スキルを身につけることは大切です。しかし、もっとも重要なことは育成側の人間性や自分磨きとも言えます。
育成の種類
現場で役立つ3つをご紹介します。1つ目に、「模倣」というやり方があります。先輩の動作を真似ることで、自発的な気づきを促し行動に繋げる効果があります。見て覚えることから常にアンテナを張っているため、失敗から振り返りの吸収が早いです。
2つ目に「ティーチング」、教えることが主流になります。この教えが機能するのは、後輩が答えを求めている時です。また、一番初めに教えるタイミングとなる土台をつくる段階でも効果があります。
最後に「コーチング」です。これは承認・質問・共感・見守りによって後輩自身の中にある答えを引き出し行動学習に繋げていく方法になります。これらは「体験からの学び」で気づき力を高める効果を発揮するでしょう。
以上のように3つの合わせ技が現場では大切です。これらの要素が相互に作用し合うからこそ、成長していきます。
伝える前に意識したいポイント
園では年齢や性別、経験年数、階級、性格と実に様々な人間模様があります。後輩は指導する先輩社員や上司とは異なる価値観を持っている事でしょう。そこで意識したいのが後輩を定着させ且つ成長させるために、次の事を念頭に置くべきです。
それは、先輩の常識や価値観を押し付けないこと。後輩の価値観を受け入れる姿勢が求められています。
指導する時の具体例
園長先生を始め先輩方にとって悩みが多いのが「人材育成」です。指導に当たり、相手の心が折れてしまうのを防ぐにはどうすれば良いでしょうか。また、単にお説教にならず、相手の心に届く伝え方とは?
「伝えたいこと」+「相手にとってどのような意味があるか」+「投げかけ」で、上手く伝える事ができます。具体例を挙げて見ていきましょう。
【例題】
時間にルーズな後輩の遅刻が目立ちます。どのように伝えると良いでしょうか。
伝えたい事→時間を守り勤務できるようになってほしい。
相手にとって意味のあることは?→頑張る姿を認めてもらえ信頼を得られる。
伝える言葉を考えてみましょう。→「日頃の頑張りが相手に届きにくくなります。皆から信頼してもらえるように時間を守りましょう。何ができますか?」
信頼される上司になるためには?
育成される側も、先輩の姿が憧れや「この人のために頑張りたい」と思える人柄でなくては学ぶ気持ちも薄れてしまいます。そのため信頼関係を築くことは大切です。
そこで大切なポイントは3つあります。1つ目に、自身も熱心に仕事に取り組むことです。後輩にとって身近なお手本となる存在です。つまり、先輩であるあなたが一生懸命に仕事をすることで、後輩もその姿を見て真似て育ちます。
2つ目に、成果を出し続けることです。仕事は熱心でも、結果が付いてこなくては意味がありません。結果を出すことで後輩は「この人は仕事ができる」と判断し、益々学ぼうと意欲的になるでしょう。
最後に、後輩の前で悪口をいうのは止めることです。ネガティブな発言は相手を不快にさせ人間性が疑われてしまいます。愚痴を聞かされる後輩は「私も陰でこんな風に言われているのでは」と不安になってしまうでしょう。
最悪のパターンは、後輩も先輩の真似をして同僚の悪口を言ってしまうことです。信頼関係を損ねる行為はすぐにでも止めてください。
- ■まとめ
- 育成に役立つスキルと、具体例を交えてお伝えしました。育成は最も難しい仕事の1つです。肝心なことは、育成スキルを身につけることだけでなく、悪口は言わない・結果を出す・自身も熱心に仕事に取り組むなど、育成側の人間性を磨くことが解決への近道となります。