No.131 保育園へのクレームが増えている理由 保育士がとるべき対応
保護者や地域の方からのクレームに頭を抱えている保育士は多く、中には「クレームが辛いから辞めたい」と考える人も少なくありません。今回は、クレームが増加傾向にある理由や対応方法などについてご紹介します。まずはクレームの原因について理解しましょう。
クレームが増加傾向にある理由
保育園へのクレームの原因は、保育士の態度や対応の仕方に起因するものから理不尽な内容のものまで様々です。子どもの声やイベント時の音がうるさいなど、運営方法について地域の住民から指摘されるケースもあります。
そのなかでも理不尽なクレームは多岐にわたり、劇の役を変えてほしい・子どもの嫌いな食べ物は給食から取り除いてほしい・トイレトレーニングなどのしつけをしてほしいなどの声が挙がります。また、このようなクレームは、近年増加傾向にあります。
その背景としては、共働き家庭や核家族世帯の増加、少子高齢化によるものです。共働き家庭や核家族世帯では、悩みを抱えていても周囲に相談できる人がいないケースが多いとされています。これにより悩みを溜め込みやすくなり、心にゆとりがなくなってしまうのです。
その結果、人に優しく接することが難しくなり、理不尽なクレームを言ってしまうと考えられます。また少子高齢化で子どもを大事に思う気持ちが強まり、過保護や過干渉の保護者が増えているのも原因の一つです。
さらに保育園に関するニュースなどを見た保護者が、不安になってクレームを言うケースもあります。
クレーム対応の仕方と減らすためにできること
クレーム対応をする際は、相手の話を否定せずに最後まで聞くことが大切です。この対応により、相手の気持ちは徐々に落ち着いてきます。またクレーム内容の事実確認を行い、真実を明らかにしたうえで謝罪するようにしましょう。
解決策を伝える際は、言葉遣いにも注意が必要です。相手の要望に応えられない場合は、「大変申し上げにくいのですが」や、「あいにくですが」などのクッション言葉を使うようにしましょう。
クレームを受けた際はなるべく早く解決策を実行し、相手にその旨を報告することが大切です。また一人で抱え込まず、園長などに相談して解決していくようにしましょう。
理不尽なクレームを減らしたい場合、保護者と良い関係を築くことが重要です。送迎時の会話や連絡帳でのやりとりなど、しっかりコミュニケーションをとることで良い関係を築くことができます。
クレーム対応による負担が大きい場合は転職も視野に入れる
クレームによって、仕事に集中できない・仕事が楽しくない・精神的に疲れるなどの悩みを抱える保育士もいます。保護者から何か言われるのではないかという不安や、日々のクレーム対応など保育士の精神的負担は大きいと考えられます。
保護者のことばかり気にしていると、仕事へのやりがいや楽しさを感じにくくなります。また精神的疲労も溜まりやすく、辞めたいと考えるようになる保育士もいます。
クレームの多さや内容は保育園によって異なります。今の職場のクレームに耐えられないと感じた場合、転職を検討するのも一つの方法です。
- ■まとめ
- 今回は、保育園へのクレームとその対処方法などについてご紹介しました。コミュニケーションで信頼関係を築ければ、理不尽なクレームを減らせる可能性があります。それでも解決せず、クレーム対応で精神的に疲れている場合は、転職も視野に入れて考えてみましょう。