No.52 保育士として認識しておきたい「おやつ」の意義
園児たちにとって、保育園や幼稚園での楽しみの1つとなっている「おやつ」の時間。それは単なるお楽しみとしての意味合いのみならず、それ以上の意義に基づいて設けられています。保育士として把握しておきたいおやつの役割について、見ていきたいと思います。
「おやつ」によってもたらされる効果とは
保育園や幼稚園に通う子供たちは、友達との遊びやお歌やお遊戯といった園内活動を通し、様々な学びや経験を得て成長していきます。そんな園内生活において「おやつ」は単なるお楽しみ以上の有効な役割を果たすものと言えます。
まず挙げられるのは、子供たちのエネルギー補給に役立つ点です。
発育途上にある子供たちは、成長のため多くのエネルギーや栄養を必要とします。しかし、まだ身体が小さく胃の大きさも大人に比べて約1/3程度となり、1度に多くの食事量を摂ることができません。一般成人のように1日3食のみで充分なエネルギーを得るのは難しいと言えるでしょう。
そこで有効となるのが「おやつ」の存在です。「おやつ」を間食として摂ることで、食事のみでは不足になりがちなエネルギーが補給できるわけです。
加えて「おやつ」の時間は、食育という観点からも有効に活用することができます。
友達と仲良く一緒に食べることの楽しみ。よく噛んで食べることの大切さ。食べることで心と身体を落ち着かせること。そういったところを子供たちに経験させる場として、昼食のみならず「おやつ」も役立てられるでしょう。
「おやつ」の適量についての目安
子供たちに与える「おやつ」の適量は、1日の総摂取カロリーの10〜20%辺りとされています。年齢によって成長度合いが異なり、摂取カロリーも違ってきますので、それに合わせて適量も変わってくることとなります。
0歳児について、食事を授乳及びミルクで摂っている期間は、まだ「おやつ」を食べられる段階に至っていないので、与える必要はありません。
一般的に生後11ヶ月辺りになると毎食離乳食を摂れるまでに成長するでしょう。その段階になれば、およそ100キロカロリー分の「おやつ」として与えられるようになります。
1〜2歳児の段階では約100〜200キロカロリー分、3〜5歳児の段階では約150〜250キロカロリー分が、「おやつ」としての適量となります。
「おやつ」の内容について
保育園及び幼稚園で子供たちに与える「おやつ」としては、どのようなものが相応しいでしょうか。
主に、季節や旬、栄養面に照らし合わせて考慮することで、日々のメニューを適切に選んでいくことができると思われます。
季節感やその時々の年間行事にマッチした「おやつ」を与えれば、子供たちの情操教育の一助ともなるでしょう。
また野菜や果物について、旬のものは栄養価も高く、成長過程にある子供たちに最適です。
加えて、タンパク質、カルシウム、鉄分など、子供たちの成長にプラスとなる栄養素を含む食材を選ぶことも、大いに有効です。
- ■まとめ
- 以上のように、子供たちにとって「おやつ」は毎日のエネルギー補給や食育の観点から重要なものであり、どのようなメニューを与えるかという点も成長にとって良い効果を生むという点について、確認してまいりました。