No.36 保育士の行事のねらいを理解して苦手意識を克服
保育士の仕事は、毎日の日課に加えて毎月のようにある行事を苦手とする人は多い事でしょう。そこには、保育士ならではの苦労がある事を知っています。しかし、せっかく誇れる仕事なのですから保育士の行事のねらいを理解して苦手意識を克服する方法を考えてみましょう。
保育士の行事は、仕事量が多い
普段の保育士の日課に加えて行事を毎月のように実施するので、当然の事ながら仕事量が増えてくるのが分かります。それだけではありません。行事に対する企画や運営を自分達で考えなければならないのでその分の時間が必要となるのですが、実際には余分な時間がないのが現状です。
行事によって準備も異なるので、その為の作業を普段の仕事と並行しながら進めていく事になるのです。毎月のようにある行事は経験の浅い保育士にとって、ワクワク感よりも準備を間に合わせる事に対して必至となるのも頷けます。
普段の保育士の仕事とは、基本的に8時間勤務となります。朝7時頃に出勤してから園児のお迎えを行います。全体での朝礼後、クラス別の保育を行います。年齢や季節に応じたプログラムを実施します。お昼になると給食の準備や配膳をし、昼食後の片付けとお昼寝の準備を行います。
1時間程のお昼寝が終わると後片付けとおやつの準備に入ります。16時くらいまで読み聞かせ等をして、帰るまでのプログラムをこなします。16時からお見送りを行い、保護者との連絡のやり取りをします。クラス毎の清掃後、その日の保育日誌と指導計画を記録します。
保育士の行事のねらいについて
園児達は社会での学びを通じて協調性を自覚する事ができるのです。初めて保育園に通う子供達は、個性の塊がぶつかり合う場合もあるので、同じ目的を体験する事によって仲間意識や思いやりなどの意識・社会に対する協調性を集団で学ぶ事になるのです。
1.入園式や進級式
初めての集団行動でとまどう園児や保護者に対して、安心と喜びを与える大事なイベントなのです。暖かい気持ちで迎え入れて思い出に残るようにしたいものです。進級式に対しては、1つ成長する事に対してお兄さんお姉さんとしての自覚と祝いを一緒に喜ぶ事です。
2.保育参観
子供達の保育園での成長ぶりを見てもらう為の大事な行事です。子供達の成長は、日に日に異なるものです。一緒にその成長過程を見届ける事は親にとっては、最大の喜びなのです。特に親子で何かをする事は、仕事や家事で忙しい保護者にとって嬉しい事であり親子の大事な思い出となります。
3.運動会
運動を通じて個性の発揮や、協調性の努力を示していく機会になります。昔みたいにかけっこで優劣をつけるような行為は無くなりましたが、子供達の運動適性や協調性を見極める大事な行事です。トップクラスの運動選手は、3歳~5歳くらいの英才教育が重要なのです。親達の理解も必要です。
4.発表会
お遊戯や物語を通して、子供達の個性や協調性が浮かび上がります。運動会とは異なる音楽性や自意識が目覚める機会にも繋がります。歌や演劇を通じてやる気を持って取り組む事を子供達に味わって欲しいのです。
5.卒園式
これまでの成長過程を実感して園児と保護者と共に、新たな出発点となるようにお祝いとして送り出す事になります。義務教育への区切りとなるわけですが、園児達との思い出と門出を喜んで送り出しましょう。
保護者との連携が重要
保育士にとって保護者は怖い存在に思うかも知れませんが、子供達の成長を助ける役割として保護者との協力は重要です。家庭の事情によって子供の対応がままならない親御さんもいるのです。一人親や共働きへの理解を求める事が、差別化を無くす事にも繋がります。
保護者に協力をお願いして、普段の日課や毎月の行事に対する意識を共有してもらいます。できるだけ協力してもらえるように、仕事やプライベートの妨げにならないような早めの対応を心がけます。
よくあるトラブルも先輩達から指導を受けて、保護者との連携が上手に活用できるように対処する事です。一緒にやり遂げる楽しみや喜びを保護者に理解してもらいましょう。
- ■まとめ
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保育士の行事のねらいを理解して苦手意識を克服すると説明しましたが、行事と日課を区別するのではなく、行事も日課の一部と考えるべきでしょう。当たり前のように感じる事が、苦手克服の第一歩です。重要な事は、子供達を普段通りに観察できる事なのです。