No.19 保育士と幼稚園教諭の違いって何ですか?
お子さんが小学校入学前までに通うのが幼稚園と保育園です。一般的には名前が違うだけで、やってることは同じだろうと思いの方もいることでしょう。先生もお子さんと楽しみながら歌を歌ったり、絵を書いたりなどと一緒に楽しんでいる光景は、これから成長していくお子さんそのものを象徴しているようです。では、先生の仕事はどんな内容でしょう。今回のお話は、保育士と幼稚園教諭の仕事の違いについてお話しします。
実は似て非なる
結論から申し上げますと、保育士と幼稚園教諭は名前が似ている割には異なるものだということです。まずは、資格や免許が左右されているからです。幼稚園教諭の場合、子供の教育がその目的であり、情操教育を主体とした保育事業が幼稚園教育要網に基づくものであり、そのカリキュラムを成就するため次のステップとなる小学校教育への橋渡しをするための先生である、ということです。
対照的に保育士の場合、子供の日常生活におけるその補助や家庭や社会などにおける生活習慣を学ぶためのサポート役であることがその目的とされており、平たく言えば保護者代行の役割を果たしているということです。要は母親(もしくは父親)の代わりという位置付けとされているからです。そういう意味でも、お子さんとの関係そのものが異なっていることが役職を通じてお分かりいただけるかと思います。
資格を取得するには
双方とも、要資格の職種という位置付けとされており、いずれも大学や専門学校、短大などといった学校で必要な科目の単位を取得することから始まります。前者と後者は資格の種類や条件など異なっていることがある職業だからです。
①幼稚園教諭免許状
幼稚園教諭養成課程の単位を取得することにより、学校を卒業した時点で免許が発行されます。なお、免許種類が異なり大学卒業の場合は一種、短大や専門学校を卒業した場合は二種、大学院卒業の場合は専修の三種類に分類され、就職条件や給与面などで大きく変わってきます。
②保育士資格
保育士養成課程の単位を取得することにより、大学などの学校を卒業した時点で取得出来ます。しかし、養成カリキュラムがない学校でも保育士国家試験の合格で取得出来ますが、約2年の実務経験を積むことなどが必要とされています。なお、実務経験3年以上経過した場合、幼稚園教員資格認定試験をクリアすることにより幼稚園教諭になることが(つまり、免許種類が二種として取得)出来る制度、それが幼保特例制度です。
③共通事項
①②共通になりますが、現場での実習を受けることができ、幼稚園・保育園で実習することにより、自分が保育士を目指すか幼稚園の先生を目指すかを見極めながら決めることが出来ます。いずれにしろ、現場の雰囲気を掴みながら学んでいくことにより、幼児教育のことをさらに深く学習できるのが特徴です。
④ 最初の段階
教員補助という形で、幼稚園や保育園からアルバイト募集がかかることもあります。基本的には先生のお手伝いとなりますが、保育園や幼稚園の仕事を通じ、子供たちと接することや業務形態を学ぶことができ、それぞれの教員を目指すという意味で経験として生きてくることでしょう。
双方の資格を活かす
最近は、保育士や幼稚園の先生を志願する方がキャリアアップを目的に両方の資格を取得できる学校が増え、その背景には幼稚園に保育園を足した「認可こども園」が各地で増加傾向にあるということです。教員になるためには、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方が必要となるからです。
しかし、2024年末までに保育士資格か幼稚園教諭免許状の片方だけ取得しても教員として働くことができるよう法律の整備が現在進行しています。こども園でも幼稚園型の施設もあれば保育園型の施設などといった種類が存在するため、教員の確保が目的であるということです。
- ■まとめ
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保育士と幼稚園教諭、冒頭にも説明しましたが似て非なるものであるということですが、免許の種類などでも異なるということや、最近増えている認定こども園の台頭により、保育士や幼稚園教諭を取り巻く環境も変化していることを物語っています。