No.47 保育士が行う遊具の消毒
新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザ等ありとあらゆる病気を引き起こす細菌は、子供たちの遊びの場所から感染したという例が多く見受けられます。保育士の方々もその点については心配の種とされているでしょう。今回は保育士が遊具の消毒をどのようにして行うかについてお話しします。
園内で遊ぶのに必要な遊具
子供たちは園内外問わず、勉強も基本ですが遊ぶのもカリキュラムの一つとして組まれています。その目的は、限られた遊具類を譲り合いながら遊び、互いや周囲に対する思いやりと配慮を学ばせるところにあります。遊ばない日はないと言ってもいいくらい子供たちは遊具に接し、成長や生活において必要不可欠な存在と言ってもよろしいでしょう。
毎日遊ぶ遊具を放置したままだと、子供たちに対する感染リスクが高まってしまいます。保育園や幼稚園は、感染対策を行う義務があるのです。遊具に限らず、ドアノブや机等ありとあらゆる箇所を毎日触りますので、その場で感染騒ぎになった場合1番困るのは親と保育士さんたちとなるわけです。
感染症の原因
子供たちにとって1番注意すべきは病気と言えるでしょう。子供は大人と違い身体的にまだまだ発達の途上にあるため、病気に対する抵抗力がまだ弱い時期にあります。病気の原因となる様々なウイルスが子供たちの脅威となるわけですね。
インフルエンザ等は主に咳やくしゃみなどで生じる飛沫を介して感染します。それが感染のリスクを高めてしまうわけです。
飛沫の浮遊が原因となって引き起こされるのが空気感染です。主に密閉された空間にて発生するため麻疹(はしか)の原因とされています。
また、握手などで人同士が直接触れる場合や、遊具や蛇口、ドアノブ等の不特定多数の方が触る機会の多い箇所を経由して間接的に発生する接触感染があります。触れた手で鼻や口などや体の別の部分に触れた時点で発生し、ノロウイルスやインフルエンザ等の原因にもなります。
他の感染経路としては、食べ物などを経由して病原菌が体内に侵入する経口感染が挙げられます。
降園した後は消毒
降園した後の保育士さんの仕事の1つとして行うべき園内の消毒作業について見ていきましょう。教室や玄関、トイレなどのドアノブや手洗いをするための蛇口などを中心に消毒しますが、遊具も当然ながら対象に含まれています。実際に使う消毒液は以下の通りです。
①次亜塩素酸ナトリウム
主に遊具や哺乳瓶、衣類や歯ブラシに使用します。原液に対し約200〜300倍に薄めたものを薬液として使いましょう。まず、汚れをよく落とし、薬液に約10分間浸します。その後、水でしっかりと洗い、清潔な布巾などでしっかりと拭き取って乾かします。
次亜塩素酸ナトリウムには漂白作用があるため、消毒する対象によっては注意が必要です。加えて腐食の原因となるため金属部分には使えません。また、多くの細菌やウイルスなどに対する効き目がある半面、結核菌など一部には効果がないことを踏まえておくべきでしょう。
②消毒用アルコール
一般的なアルコールに相当し、こちらについては原液70〜80%程度のまま使いましょう。主に遊具や便器、ドアノブに使います。布巾に染み込ませてからしっかりと拭きましょう。使用に際しては、ゴム製品や合成樹脂を使った商品に対しては長時間浸さないようにしましょう。多くの細菌やウイルスに有効ですが、ノロウイルスやB型肝炎ウイルスには適していません。
- 消毒方法は以下の通りです。
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1.ぬいぐるみ等の布類
汚れの有無問わず定期的にしっかりと洗濯しましょう。また、1週間に1度は日光消毒を行いましょう。消毒方法は次亜塩素酸ナトリウムを300倍の水で希釈後10分間浸し、水洗いしてからよく乾かしましょう。2.毎日触れる遊具類
こちらは定期的に水に流すか湯拭きするのが理想ですが、毎日触れますのでアルコール等でしっかりと拭きながら消毒しておきましょう。特に乳児クラスの場合は毎日触れる機会が多いので尚更です。また、午前と午後で使う遊具を区切っておくのも一つの手です。
- ■まとめ
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保育士さんは子供たちが帰った後、次の日も笑顔で迎え入れられるようしっかりと消毒作業を行うべきでしょう。そうしてこそ園内感染のリスクを低減させられるわけです。