No.50 保育士に見てもらいたい「うつ病」回避のためのメンタルケア
保育士は最もうつ病になりやすい職業と言われています。福祉の仕事は激務の上、女性は男性に比べてうつ病になりやすいという特性が問題とされています。今回は、うつ病の症状や原因と発症を未然に防ぐための対策法を考えていきたいと思います。
うつ病を疑う症状と原因
うつ病とは、脳の神経伝達物質のノルアドレナリン・セロトニン・ドーパミンの不調で起こってしまう病気です。うつ病の症状は、不安・緊張状態の持続・悲壮感・思考力の低下といった精神的な症状の他に、食欲の低下・頭痛・生理不順・めまい・不眠といった身体的な症状も現れます。
うつ病にかかるメカニズムはまだ解明されていませんが、大きな原因は「ストレス」・「性格」・「神経伝達系の量」とされています。
うつ病になる前にできるメンタルケア
「真面目で頑張り過ぎる」「完璧主義」「常に気を配っている」といった、優秀で仕事ができる性格の保育士の人ほどうつ病にかかりやすいと言われています。若い頃から培われてきた性格というものは、なかなか変えるのは難しいかもしれませんが、日々の生活を見直すことでうつ病の対策が可能です。
- ○毎日の十分な睡眠
- 睡眠は、日々の疲れやストレスをリセットさせる一番重要な対策です。精神疾患以外の疾病全てにこの対策効果が効きます。保育士は、残業も多くなかなか休みを取ることができない方がほとんどだと思いますが、健康の維持に努めることも重要な責務です。最近、寝不足で仕事に専念できていない方は、是非職場での配置転換や残業時間の短縮を相談してみてください。
- ○仕事以外の逃げ場を作る
- 休みの日を利用して、日帰りの旅行や自分へのご褒美でショッピングなど、ガス抜きをする場を設けましょう。気の合う友人・恋人・家族と一緒にいる時間を増やしたり、泣き言や愚痴を聞いてくれる人と雑談したりする時間を作りましょう。
真面目な人ほどこの考えを拒絶してしまうかもしれませんが、現実から逃げることは悪いことではありません。リフレッシュすることは結果的に今後の仕事の効率強化に繋がるからです。 - ○臨床心理士によるカウンセリングや病院での治療
- 自分1人では、日々のケアが厳しいという方は専門的な機関で治療するという選択肢もあります。向精神薬やSSRIといった投薬治療は、薬漬けの生活になるのではないかと不安になる人も多いと思いますが、カウンセリングの治療も行ってくれる医師や臨床心理士に相談することで辛い状態を1人で悩むことが無くなります。
知人の紹介や職場内の看護師の方などの口コミや、インターネットでの情報を熟考して、信頼できる医師や心理士に巡り合いましょう。もし、相性の悪さを感じることや不満があれば、遠慮することなくセカンドオピニオンを申し出ましょう。
- ■まとめ
- うつ病は一度かかってしまうと治療が難しく、寛解(症状が無くなるや症状が現れない)状態になっても完治することは現代の医療技術では難しいです。どうしてもメンタルケアが上手くいかないようであれば、一度きりの大切な人生を笑顔で過ごすためにも転職を検討されるのも良いかもしれません。自分以外の人を笑顔にするには、まず自分が笑顔になれることが大切です。無理をせず柔軟な生き方ができるよう心掛けましょう。