No.88 保育士の仕事はAIに奪われるか?
昨今、保育現場へのAI導入が進んでいます。そんな中、普及が進めば保育士の仕事はいずれ機械によって奪われてしまうのではないか、という不安が当事者の声として上がっています。今回はAIと保育をテーマにお話しします。
AIとは?
AIとは人工知能の事です。身近な例では、スマートフォンのアプリや自立式のロボットなどに実装されています。データを大量に集め、学習することによって人間に近い考えや行動を取れると期待されている技術の1つです。便利である一方、人間の手で使いこなせるのかという疑問点もあります。
進む保育のAI化
AIの普及は保育現場も例外ではなく、AIが取り入れられつつあります。例えば、子どもの行動を見守る「見守りロボット」やスケジュールなどを管理する「連絡帳アプリ」などです。
保育士の業務を軽減してくれるメリットがある一方、予想外の動きをするのではないか、そもそも子どもの保育を機械に任せて良いのかなど、現場からは様々な声が上がっているのも事実です。
AI導入の理由
厚生労働省の調査によると保育士の数はどんどん減っており、待機児童の一刻も早い解消のためにも、AIのような先端技術の導入は急務であると言われます。しかし一方で、現場保育士たちの半数以上がこのAI化に懐疑的な見方をしているとも言われ、大きな課題となっています。
保育のAI化に伴う問題点
アプリやロボットを現場の保育士が使いこなせるのかという不安の声と、またAIに子どもたちを任せて危険はないのかといった疑問点があります。そもそも、子どもの安全を機械に任せても良いのかという、倫理的な問題も完全に解消したわけではありません。
しかしながら、保育現場へのAIの導入には、子どもの心拍数や脈拍を管理できる、保護者の送迎時間を把握できるなど、メリットはたくさんあります。
AIとの共存
現場の保育士の中には、保育士の数が減っているからといって、機械を導入しても良いのかという疑問が根強くあります。そして、もしAI化が進めば、最終的に保育士の仕事が奪われてしまうのではないか、という心配する声もあります。
しかし、AIはあくまで人間のサポート役であって、最終的にはどうしても人間が必要になるはずです。雑務の管理などはAIにこなしてもらい、最大の当事者である子どもには、現場の保育士がこれまで通り接していくのが、理想であるのではないかと言えます。
AIに任せるべき業務と人間である保育士が担い続ける業務の兼ね合いを模索していくことが、これからの保育に必要な課題であると言うことが出来るでしょう。
- ■まとめ
- 技術の進歩が避けられないように、保育現場へのAIの導入もまた避けられないでしょう。しかし、対峙する相手が人間である以上、人間の存在は必要不可欠です。機械と人間、その役割のバランスを考えていくことがこれからの保育には重要であると言えます。